【Vauxhall 2.0L搭載ケータハム・セブンが間もなく完成】
Vauxhall製2.0Lツインカムエンジンと4連キャブレターを搭載仕様のセブンの整備が最終確認段階に入り、まもなく「完成車両」としてご紹介できる状態になります。
軽量シャシーとの相性が良く、自然吸気ならではの鋭いレスポンスと扱いやすいトルク特性を備えたヴォグゾールセブン。
ウインドウスクリーン、助手席およびホワイトカラーにリフレッシュしたロールバーを装備し、走行志向だけでなく実用性と安全性を両立した構成となっています。

【ヴォグゾール仕様セブンって】
1990年代初頭、ケータハムは長年使用してきたFord Kent系エンジンからの転換期を迎えていました。
より高性能で耐久性のある新世代ユニットを求め、当時欧州で高い評価を得ていたVauxhall製2.0L DOHC16バルブエンジンC20XE(通称レッドトップ)に着目します。
C20XEは、GMファミリーIIエンジンをベースに、Cosworthがシリンダーヘッドの開発・鋳造に関わったとされるツインカムユニット。
150ps級の出力を持つ軽量DOHC16バルブとして登場し、チューニング余地も大きく、ツーリングカーやフォーミュラをはじめとしたモータースポーツで多くの実績を残しました。
ケータハムはこのC20XEにツイン45DCOEキャブレターなどを組み合わせたHPC(High Performance Clubman)仕様をラインナップし、これが後に「ヴォグゾールセブン」と呼ばれる系統のベースとなります。
従来のKent系では得られなかった高回転性能と中速域のトルクを実現し、セブンの走行性能を一段引き上げる役割を担ったモデルです。
とくにキャブレター仕様としては、セブン史の中でもトップクラスの出力とポテンシャルを備えたユニットであり、1990年代前半のキャブレター最終期を代表する高性能仕様の一つといえます。
クラブマンレースでの競争力を意識して設計されたこともあり、セブンが「軽さだけでなくパワーでも戦える」時代へ進んでいくうえで重要な位置づけとなったのが、このヴォグゾールセブンであり、
「セブンを未来に繋げるための、次世代エンジン」として登場しました。
【外観とパッケージング】
ショートホイールベース、低重心、軽量フレームといったセブンの基本構造が走行性能を支えています。
コンパクトなボディと2.0L NAエンジンの組み合わせにより、加速・減速・旋回の全てが軽快で、操縦性に優れています。
見た目からも走行に必要な要素だけを残した機能的な構造となっています。

【コクピットと操作系】
計器類とスイッチ類は必要最小限にまとめられており、走行中に必要な情報を明確に把握できます。
軽量ボディと高レスポンスエンジンの組み合わせにより、操作入力に対する車両挙動がストレートに伝わる構成。
運転操作に集中しやすく、ドライバーの意図をそのまま車両に反映できる特性が強く出ています。

【4連キャブレターによるフィーリング】
4本のファンネルを備えたキャブレターにより、各気筒が独立した吸気経路を持ちます。
これによりスロットル操作への応答性が非常に高く、自然吸気ならではのダイレクトなフィーリングが得られます。
高回転域では吸気音と排気音が重なり、機械的で明確なエンジンフィールを体感できます。
現代の電子制御主体の車両では得られない刺激的な特性です。

4連キャブレターが生む高いレスポンスと独特の吸気音
Vauxhall 2.0Lエンジンと4連キャブレターの組み合わせに、ウインドウスクリーン、助手席とロールバーを備えた構成は、走行性能と実用性の両面を満たす希少な仕様です。
走りを主体としながらも、日常の使用やツーリングにも対応できるため、セブンの本質である軽快さとダイレクト感を維持しつつ、使い勝手も確保したバランスの良い一台です。

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